こんにちは。
昔の体験記の要望が御座いました為、記事としてアップしました。
詐欺の話ですが、イラストレーターなどクリエイター職以外、あまり関わりのないお話となっております。
どなたかの役に立つ事を祈って、書き記しておきますね。
文面等は作成当時ほぼそのままとなっております、ご了承ください。
様々なお客様とお付き合いがあると、打ち合わせで直接対面する場合もあるかと存じます。
当方が現役やってる頃ですが、クライアントと会い借金を背負わされた、イラストレーター様達の話を今回書き纏めました。
ある日、当時付き合いのあった絵描きさんから、今出先だと言って突然電話があったのです。
何でも、新規のクライアントに呼ばれて、打ち合わせに行った大きなカラオケルームにて、住職を名乗る男性が袈裟を着て現れ、40~50人位の沢山の絵描きさん達を、その大きなカラオケルームに呼び、アニメ制作事業の話を持ち掛けて来たんだそうで。
その額が35億円か、36億円だったかな、兎に角大きな金額で、当方に連絡してきたイラストレーター様は驚き、こっそり抜け出して相手の身元を調べて欲しいと、当方に判断を仰ぎに電話してきた、という事だそうで。
一緒に来ていたイラストレーターのお友達も、その話に話に乗り気だそうですので、こちらも何とかしたい、と。
そのような内容のお話でした。
何億円のプランで動くアニメ制作事業、と言ってその証拠として持ってこられた書面が、お金の借用書だったと伺いました。
この書面の裏に名前を書くと、件のアニメのお仕事が貰えて、スタッフロールクレジットに優先的に名前が載る、とかいう触れ込みだそうで。
その住職は高額なお仕事を約束し、どんどん絵描きさん達に借用書の裏側へ、サインをさせてたそうです。
で、この話。
最初に断っておきますが、この話はれっきとした詐欺です。
裏書きと言いまして、借金の借用書の裏に名前を書くと、その借金の保証人と、法的に認められてしまうのですよ。
保証人は、借金を返さない人が居た場合、自分が代わりに払いますよ、という感じでお金借りる側を保証し、お金を貸す側の審査を通してもらう為の、該当するお金の貸し借りとは関係ない第3者の事だったかと。
絵描きさん達を集めアニメ制作の事業話を持ち掛けて、大きな金額が動くと言いくるめて丸め込み、打ち上げと称してカラオケで飲めや歌えやの騒ぎの最中に、裏書きを知らない絵描きさんにサインさせる、という悪質な手口ですね。
何が怖いかというと、裏書きは簡単に言うと、保証人の書面に(知っていて)サインしたのと同じ効力を持ちまして、知らなかった、騙された、は法的に通用しません。
つまり、このお話は会ったばかりのクライアントに、借金を肩代わりさせられる危機が、集められた絵描きさん達に迫っていた、という事なのです。
当方が調べた所、怪しい住職の言うお寺は、何年も前に廃寺となっており、99%の確率で反社組織(ヤクザ屋さん等を含む暴力組織)絡みの詐欺である事を伝え、電話をかけて来た絵描きさんは、昔当方が裏書きの事を教えていたので、一緒に来てたお友達を連れて上手い事逃げる指示を出して、事無きを得ましたが。
その後、カラオケ会は大いに盛り上がり、殆どの絵描きさんが裏書にサインし、舞い込んだ大口の仕事に期待しつつ、現場は解散となりました。
数ヶ月後に、住職は行方不明、やっぱりそのアニメ関係の仕事が来ない、というお話と、借金取りが押しかけて来たという話があり。
サインしてしまった他のイラストレーター様は、残念ながら正規の保証人として扱われてしまい、返済の利息含んで、1人頭1億円近い借金を抱える事となってしまいました…。
裏書きの話は、イラストレーター様はご存じない方が多いので、思い出した今回お伝えする事と致しました。
もし、クライアント様と直に合う事があり、お名前を書面に書く話を持ち出されたら、書面がお金の借用書でないか、しっかり表裏の確認をなさった方が良いでしょう。
上記の通り世の中、イラストレーター様を狙った詐欺の話もあるにはあるので、どうぞお気を付けくださいませ。
今日はこの辺で。
それでは、当ブログをごゆっくりご覧ください。