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2021年2月25日木曜日

ブログ小説 縁切徹 目次


ファンタジー風味剣劇もどきブログ小説縁切徹の目次です。
2021年2月24日第五話四章追加更新、目次イラストを追加。
現在6話以降を制作中。
どうぞごゆっくりご覧くださいませ。

2021年2月24日水曜日

ブログ小説 縁切徹 第五話 ついでの仕事(4)

 【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

ついでの仕事(4)



――――――――(1)――――――――



腕は、足は、目は、鼻は、口は、何処に在るというのだろう。
まるで、影が世に染み出て、命を持ち、良からぬ事を企てる為に、動き出したかの様だ。

2021年2月17日水曜日

ブログ小説 縁切徹 第五話 ついでの仕事(3)

 【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

ついでの仕事(3)



――――――――(1)――――――――



夕刻。
見渡す限り平らな景色が続く草原には、剥き出しの大きな岩があちこちに点在している。
短い草こそ、まるで常世を謳歌するかの如く、青々と生い茂っているものの、目印になる様な木々は少ない――。

2021年2月10日水曜日

ブログ小説 縁切徹 第五話 ついでの仕事(2)

 【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

ついでの仕事(2)



――――――――(1)――――――――



街には、住人の頭を悩ませる問題が山積みであり、日夜新たな火種には事欠かない。
当然ながら、切り捨てられた者たち、そして立ち去ったエルヴンの女の事など、常日頃何処かで起きている事であり、露程も話題には上がらないのも頷ける。
そして、今日もまた、頭痛の種が一つ、届けられた。

2021年2月3日水曜日

ブログ小説 縁切徹 第五話 ついでの仕事(1)

【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

ついでの仕事(1)



――――――――(1)――――――――



―――――――それっぽっちじゃ ちぃっとも 足りやしやせんぜ
―――――大ぇ変 申し訳無ぇんでございやすが 他所を頼っておくんなせえ

「何だとォ!
これじゃ足りないっていうのか!」
「そうだ!
何だァ、それは!
ふざけるなよ、高過ぎるだろうが!」
続いて揺れる机の音の中、大きな怒声が、周囲を切り裂くように飛ぶ。
夕食を摂る為にごった返す、食堂を兼ねた酒場の一角へ、皆が顔を向けた。

2020年6月26日金曜日

ブログ小説 縁切徹 第四話 山道の妖(4)

【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

山道の妖(4)



――――――――(1)――――――――



迫り来る多数の化け物に、身構えるエルヴンの女。
甲高い、劈く様な男の金切り声。
同時にぷっつりと、刃が肉のようなものを断つ音。
その次に、しゅるしゅるしゅる、と何かが裂ける音が続いた。
直後、ぼたり、ぼたり、ぼたぼたと、辺りを囲んでいた細長い生き物が、真っ二つに裂け、そこいらに倒れ伏す。

……そして、音がしなくなった。

2020年6月19日金曜日

ブログ小説 縁切徹 第四話 山道の妖(3)

【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

山道の妖(3)



――――――――(1)――――――――



辺りの薪を拾い集め、手持無沙汰になった行商人は、何か話題は無いかと考えた。
静かな夜も良いが、図らずも折角の美人と御同伴の旅。
ふ、ふふ触れるのではない、話すだけ、ただ話すだけならば(想像の中の)妻も怒りはしないだろう。
夜も更ける中、行商人は、焚火の明かりに照らされる、美しいエルヴンの娘をじっと見詰める。
彼女は視線に敏感な様で、こちらが視線を投げかけると、すぐに顔を向けて来るのだ。
しかも、驚く程速くに。
この機敏さは、どこから来るのだろう、彼は何か勘所に引っかかるものを感じた――それはカヤの優れた身のこなしを、感じ取ったのだろうか。
向き合えば愛らしい微笑みに押され、見つめ合う事に気恥ずかしくなって、顔を背けてしまうまで、何度も繰り返し続いてゆく。
それが終わると、また再び斜面の上の方だろうか、彼女はその一点を見てじっとしていた。

2020年6月12日金曜日

ブログ小説 縁切徹 第四話 山道の妖(2)

【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

山道の妖(2)



――――――――(1)――――――――



現状に気が付いた行商人は、女の腰を掴んでいた手を、素早く手放す。
えも言われぬ肌触りと手に吸い付くような柔らかさ、そして安らぎを覚える様な温もりが離れてゆく。
後ろ髪引かれるような心残りが、掌に残った。

振り返ると、緩やかな斜面が目に映る。
ここを転げ落ちて来たのか。
その先を見ると、平地から続いて窪みの様な段差があり、そこを踏み外したのだろう。
大怪我をするような高さで無くて良かった、と胸を撫で下ろす。
そして、あそこから、そのまま滑り落ちて、そのまま――?
先程、女の尻に頬を当てていた行商人は、そこではたと我に返った。

2020年6月5日金曜日

ブログ小説 縁切徹 第四話 山道の妖(1)

【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

山道の妖(1)



――――――――(1)――――――――



晴れた空の下、庭に置かれた机と椅子。
差し出された茶菓子に口を付け、茶を一口飲む。
味の感想を聞かれ、愛想笑いを浮かべつつ、当たり障りのない、無難な回答を口にする。
出された茶と菓子は、決して不味いものでは無かったが、それだけで無理に褒める必要も無いだろう。
おどけて余計な事を口走り、隣街や遠くの村での宣伝を頼まれる――そんな事になれば、それこそ大変だ。
椅子に座り長話に相槌を打つ、菅笠を目深に被った銀の髪の娘は、何とかして話を切り上げ、茶のお代わりを頼みたがったが、店主の一方的な会話はまだまだ止まりそうにない。

緩やかな陽差しの昼下がり。
エルヴンの女は、集落外れの一軒家が営む茶屋にて、休憩を取っていた。
恰幅の良い、親切だが話し好きな女店主が、旅人をもてなしている。
この日の客は、旅人のカヤだけしか見当たらない。
よって、善いか悪いか、暇を持て余している女店主の接客術は、全て彼女独りに差し向けられていた。

2020年4月24日金曜日

ブログ小説 縁切徹 第三話 刺客(4)

【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

刺客(4)



――――――――(1)――――――――



少しぬかるみがあるが、歩き難い訳では無い。
夜に入り小雨となった天候であったが、今はもう降ってはおらず、菅笠を叩く音は耳朶を打つ事も無く。
人気の無い納屋の前の道を少し進み、奥まった所。
すぐ先は道が細り、森に埋まってゆく細い道が続いている。
今、そこには湿った風以外訪れるものが居らず、揺れる小枝はその葉に蓄えた雫を、しとやかに落とす。
地に溜まる水の群れにひとすじの珠が落ち、混ざり合って見えなくなり、波紋を広げた。
そしてまた、閑静な森にまた一滴の、溶け落ちる音が冴えるように響き渡る。
行く末はただ静かに消え往く宿命を想わせる、寂しげな小道の途中、はたと足を止めたエルヴンの女は、脇の方を向く。
暗い中に、ざざ、と揺れる木々の音。
そして軽い、風が吹き抜けるような娘の声が、木陰に届いた。

2020年4月16日木曜日

ブログ小説 縁切徹 第三話 刺客(3)

【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

刺客(3)



――――――――(1)――――――――



かつり、かつり、かつり――。

人気の失せた集落の道筋に、小雨が降り続く。
音が互いに聞こえぬ程の離れた場所で、男が一心に木を削る。
その容姿は、青年よりは歳経てはいるが、初老と言うにはまだ早すぎる年代であろう。

かつり、かつり、かつり。
雨音に交じり、刃が木肌にめり込み、薄い木屑となった破片を跳ね飛ばす音が響く。
それらはぱらぱらと落ち、雨粒に打たれ、ぴちゃぴちゃと小さな音をそっと立てていた。
跳ねた水飛沫が、受け皿の様な葉の上にその身を移す。
それもまた、ぴちょん、と控え目な音色を鳴らし、不規則な合奏へと懸命に関わろうとしている。

2020年4月10日金曜日

ブログ小説 縁切徹 第三話 刺客(2)

【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

刺客(2)



――――――――(1)――――――――



あれから七日程が経過したが、何者かが襲ってくる気配は無い。
カヤは旅路を急ぐが、拍子抜けする程何事も無く、その行程は順調にも思えた。
彼の者は魔法か何かで、姿や気配を隠しているのだろうか。
しかし、追われている風も無く、銀の髪の娘は街道をひたひたと歩く。
先は道が分かれている様で、左側には森のようなものが見え、右側は短い草が生い茂る草原が広がっており、そこまで黄色のような色味を持った、剥き出しの乾いた土が小路となり先へと続いている。
もう片方を見ると、左手に見えるこんもりとした森を避けるように、長々とした先へ道が続く。

2020年3月25日水曜日

ブログ小説 縁切徹 第三話 刺客(1)

【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

刺客(1)



――――――――(1)――――――――



一体何をしたらこうなるというのか――?

昼前に、引き渡した筈のエルヴン式の刀剣は、すぐさま手入れをしなくてはならない程に痛んでおり、それを一目見た店主は頭を抱える。
普段の彼であるなら、もっと丁寧に扱えと叱り飛ばすか、法外な額を吹きかけて脅すかしているだろう。
何故こうなったのかを、伺おうとしたがすぐに思い当たる事柄が、一つ思い浮かぶ。
巷では、歓楽街を仕切っていた一家が、壊滅したとやらの話で持ちきりである。
大きな騒ぎがあった事は、この界隈にもすぐに知れる事態となっていた。
新品同様だった筈の刀剣が、目も当てられぬ程使い込まれての手入れ――そして何やらエルヴンが関わったという噂。
この時期に、あの騒ぎ、まさかとは思うが――いや、噂は噂、俺は与り知らぬ事だ。
しかし、こちらのお嬢さんは滅多に現れない、折角の払いの良い客だ、なるべくならその関係は良好でありたい。
か弱そうなこのお嬢さんが、今日新たに上った噂に聞く様な事を起こす等、果たして可能なのか?

――馬鹿な、寝言は寝てから言えッ。

積まれた小判を目尻に、あの日と同じ様に作業机に腰かけた、銀の髪の娘への余計な詮索を、彼は行わない事にする。

時刻は陽が暮れたばかりの、閉店前――。
手入れや仕上げ作業に夢中になるあまり、暗くなってから夜を迎えていた事に気付き、開けっ放しだった店をそろそろ閉めようと、重い腰を漸く上げた頃。
ぽつぽつと妙な音、そしてぼそぼそと、か細く何かを伝える声。
はて、何の音かと訝しんでいると、その後で銀の髪の娘が、戸を開け滑り込んできたのだった。

2020年3月17日火曜日

ブログ小説 縁切徹 第二話 ぼるけいの(4)

【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

ぼるけいの(4)



――――――――(1)――――――――



「おう、そこだ、囲め囲め!
もう逃げられねぇぜ――、へへへ」
「小娘ェ、観念しやがれ!」
「お頭の手を煩わさせるまでもねえ。
皆、やっちまえ!」
怒りと怨嗟に満ちた声が辺りに満ちてゆく。
小高い丘の上、木々に囲まれた中で、空き家が一軒、ぽつりと建つ広間は、娘を追う者達で溢れ返ろうとしていた。
追手達が追い詰めた筈の銀の髪の娘は、座ったまま不敵な笑みを崩さず、じっと座っている。
どのような罵声を浴びせようとも、まるで臆した様子が無い。
一体どれ程の数、そしてどのような威迫の言葉で追い込めば、この娘の肝胆を、寒からしめんとする事が出来るのだろうか。
包囲を縮め、いよいよもって、自分達に対する礼儀を教えてやらんと身構えた時、若い男が声を上げる。
「止めろ。
無駄に被害が出るだけだ」
彼の一言で、騒ぐ追手達の怒声が、ぴたりと止まり。
そして、整った顔立ちの青年が、追手達を押し退けて、前に出て来た。

―――――――ようやっと お出まし頂けやしたようで

待ち兼ねていた眉目秀麗な男が現れ、進み出るのを見て、くすりと笑ったエルヴンの女が朱塗り鞘を手に、漸く立ち上がる。
彼女は髪をかき上げ、さらりと風に流し、左手を朱塗りの鞘に軽く添わせた。
そして彼の歩む先へと、合わせるかの様に歩き出す――。
二人は示し合わせたかの様に、お互いの手が届く範囲まで歩み寄ると、冷ややかに視線を交わし合う。

2020年3月5日木曜日

ブログ小説 縁切徹 第二話 ぼるけいの(3)

【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

ぼるけいの(3)



――――――――(1)――――――――



妙な女が突然やって来て、刃物を振り回しているとの報せを受け、用心棒達は店の奥から入口へと急ぐ。
この町で歯向かう輩も少なくなり、閑職に回されていた所であった。
拠点が荒らされるという事は、良くは無い事だが。
とんでもない奴が現れたぞ、と口々に言いながらも、丁度良い暇潰しが出来たと、内心彼等は喜んでいる。
彼等が入り口に着くと話の通り、女が刃を手に、狼藉を働いた形跡が一目にも知れた。
驚いた客が早足に店を出、店番が呆けたように立ち尽くす。

2020年2月29日土曜日

ブログ小説 縁切徹 第二話 ぼるけいの(2)

【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

ぼるけいの(2)



――――――――(1)――――――――



軽く対話を挟み、すっかり意気投合した気になった巨漢の彼は、銀の髪の娘を自らの根城へと誘う。
道すがらに話を聞けば聞く程、この娘が自分達と同じく、荒事を探し求めているのが理解できる。
自分達が知る限りの、女という生き物にしては、少々物騒だが――。
見た目からは到底感じる事の出来ない、その勇ましい性格は、今回に限っては好都合だ。
そして、あの奇妙な技。
巨漢の男は、己の勘が冴えている事を祈りつつ、娘の先導を務める。

2020年2月10日月曜日

ブログ小説 縁切徹 第二話 ぼるけいの(1)

【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

ぼるけいの(1)



――――――――(1)――――――――



再び街道を抜け、エルヴン族の娘は長脇差の手入れが出来る店を探していた。
町に近づいてきた証か、通りを行き交う者が心なしか増えて来る、町の外れのような風体の景色に差し掛かる。
時折見える建物に、平たい屋根が散見されるのだが、雨の時はどうしているのだろう。
よくよく目を凝らすと、微妙に角度が付けてある様子が見て取れたが、建築に詳しくない彼女は、何故屋根がその形状なのかまでは、思い当たる事は出来なかった。

2020年1月27日月曜日

ブログ小説 縁切徹 第一話 揉め事探し(4)

【ブログ小説】

R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

揉め事探し(4)



――――――――(1)――――――――



一行の首領である大男が、ある時この町訪れた。
偶々立ち寄ったこの飯屋を営む娘を一目で気に入り、執拗に迫る。
だが、娘には大男の要求に応えられない理由があった。
なかなか靡かず、業を煮やした男は一行を使い、店に嫌がらせを行う。
客足は遠のき、残ったのは店と、娘の婚約者たる青年だけであった。

2020年1月14日火曜日

ブログ小説 縁切徹 第一話 揉め事探し(3)

【ブログ小説】

R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

揉め事探し(3)



――――――――(1)――――――――



傾いた陽差しが地平線を白く染め上げる頃、先程までいた集落はもう米粒の様に小さく見え、視野の中から遠く消え去ろうとしている。
もう暫くもすれば完全に見えなくなるだろう。
エルヴン族の娘を載せた、粗末な木枠の箱で造られた荷車は、ゆったりと街道を進む。
一行の隊は、走るのよりは遅く、歩くよりは早かった。
しかし、想像していたより速い速度で景色が流れてゆく。
本気で走れば楽に追い越せるだろうが、一昼夜この速さで走り続ける事は適わないだろう。
干し草の上で座る彼女はと言えば、陽差しが暑いのか脱いだ笠を再度被り、荷車の上で大人しく揺られていた。
出発前、水筒に淹れた茶は既に尽きている。

2020年1月6日月曜日

ブログ小説 縁切徹 第一話 揉め事探し(2)

【ブログ小説】
R.M.E.R. 2nd chapter3
縁切徹

揉め事探し(2)



――――――――(1)――――――――



ぽかぽかと陽気な陽差しが、街道を照らす。
草木の香る風。
雨上がりの道にはまだ泥濘があったが、直後と比べ大分歩きやすくはなっていた。
地が剥き出しの整備されていない街道は、多くの通行により踏み分けられ、歪な道筋が遥か彼方まで延びてゆく。
遠く、白く、薄く霞む山々へ、草木の合間を縫うように続く道。
その生乾きの緩んだ通りを、一人の娘が歩いている。